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プリグル!(Puddingroup) |
「プリグル!(Puddingroup)」という名前のこのbotは、普通のLINE botのような受け答えはできません。登録されている応答は(2018/09/05時点で)一種類のみで、「プリグル」という単語に反応します。
ではどうやって使うのか?それを説明させていただきたいと思います。
1. コミュニケーションの場としてのLINE
前回のbot制作を通して、メッセージに対して応答する形式のbotに面白みを出すことの難しさを感じていました。そこで一度botの視点から離れ、LINEというアプリを使うことの特徴、強みとは何か考えることにしました。僕が思いついたのは- 日本での普及率が極めて高いこと(特に若者)
- ユーザ間の関係を利用できること
今回は特に、LINEの「グループ」や「トークルーム」という場で活躍できるbotを目指して作りました。
2.プリグルの機能と使い方
プリグルを楽しむ状況としては「自撮り」等、写真を撮った後を想定しています。プリグルを使うことで、撮った写真に友人や家族と一緒に"落書き"ができます。
画面は開発中のものです。 |
押した後は、2枚目の画像のように、画面の指示に従って撮影者が部屋を作り、それ以外の人は作られた部屋へ入ります。これで準備完了!みんなで落書きを楽しみましょう。
左下のボタンからブラシの大きさやペン/消しゴムの切り替え、右下のボタンから色を変えることができます。
また、撮ったその場ではなく別れた後に落書きしたかったり、大人数で落書きしたいときのために、「トーク機能」をつけました。
落書き中はおしゃべりしながらワイワイやりたいものですが、いちいち画面を閉じてLINEの画面に戻っていたら面倒です。Pudding上の「トーク」ボタンを押すことで、簡易的なチャットルームが現れます。
Pudding内チャットでの発言はLINEに投稿され、LINEでの発言はPudding内チャットに反映されます。これにより、「もう部屋作ったから入って!」など、落書きへの参加案内もスムーズにできると思います。
3. 技術的な話(APIの使いどころ)
このbotは大きく2つに分けることができます。- プリグルbot
- Pudding システム
Pudding システムの実体は Web ページであり、ここでは LIFF (LINE Front-end Framework)を用いることで表示しています。LIFF は LINE から離れることなくブラウザを表示できる機能で、そのほかにもブラウザとLINEの連携に用いることができます。
また、LINE Messaging API によって、プリグルbotと Pudding システムの連携を実現しています。
・Pudding システムへの導入
Messaging API のボタンテンプレートを使って押しやすく(?)しています。
・部屋の作成/部屋へのIN
Messaging API でグループ/トークルームIDを取得し、記録しています。
以降、部屋にINしようとした場合は、今いるグループ/トークルームIDで判別し、これによりパスワードなどの煩雑な手続きなしに合流が可能です。
・画像のシェア
LIFF を用いてブラウザから LINE へテキストや画像を投稿できます。
・Pudding内チャット
Pudding内チャットでの発言は、LIFF によって LINE へと投稿されます。LINE に投稿された発言はbotを通してサーバへ送られ、グループ/トークルームIDの照合を経て Pudding内チャットへと届きます。この流れにより、LINE - Pudding内チャットの両方で情報を共有しています。
4. さいごに
技術的課題はまだまだ残っており、そもそも実環境で動作チェックしていないのできちんと動くかにも自信はないです。また今回は、単なる対話型botから抜け出すことを念頭に置いて作ったので、APIをうまく使えたかどうかや、そもそも需要のあるものなのかには疑問が残ります。しかし、評価軸の一つであるLINE as a Platform:「既存サービスの拡張・転用だけではなく、LINEやClovaの特徴やユーザー接点を活かし、双方向かつ能動的な新たなコミュニケーションを生み出すサービスであること。」に従って、コンセプトは面白いものが作れたのではないかと思います。
「プリグル」は、話しかけるのではなく、グループに入れるだけ、そこに"いるだけ"で効果を発揮するbotです。よかったら使ってみてください。
2018/10/11 17:38 追記
誰がどこでペン/消しゴムを動かしているかがわかりやすくなりました。こんな感じで名前が表示されます |
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